大東市「別居親の行事参加フローチャート」を当事者目線で分解する
共同親権は導入される。しかし、運用できる形は、まだ十分に存在していません。
その高難易度制度を「学校行事への参加」という一場面に限定して可視化したのが、大東市のフローチャートです。

① フローチャートが解決している本当の問題
この話は「別居親が行事に参加できるか」という権利論ではありません。
行政実務が抱えてきた問題は、次の3点です。
- 学校が判断主体になるのか
- 教職員が個人で責任を負うのか
- トラブル時に誰が止めるのか
大東市のフローチャートの価値は、学校が一人で判断しなくてよい状態を作ったことにあります。
② 視点①|「参加したい」ではなく「判断はどうなるか」
別居していても行事に参加させてほしい
この言い方は感情的要望として処理されやすく、制度や運用にはつながりません。
別居親から行事参加の希望が出た場合、
学校は何を確認し、どの段階で参加可否を判断するのでしょうか。
- 子どもの安全が確保できるか
- 行事運営に重大な支障が出ないか
夫婦間の感情や離婚理由は、判断材料に含まれていません。
③ 視点②|トラブル前提で聞く
- 当事者同士が鉢合わせたら?
- 子どもが動揺したら?
- 一方の親が強く反対したら?
この質問は学校を責めるためではありません。その場合、学校はどこまで対応し、どの段階で管理職や第三者につなぐ想定ですか。
④ 視点③|「ルール化してください」と言わない
フローチャートは「作ってください」からは生まれません。
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- 想定ケースを出す
- 学校・教育委員会の回答を聞く
- 回答を整理して確認する
- 問題があれば排除ではなく調整する
問題がある → どう調整すれば参加できるか
動線をわける、時間を変える、できることを工夫する
⑤ 視点④|議員の使い方
議員は代弁者ではなく、構造の翻訳者として関わってもらいます。
この整理は学校現場を守るためのものです。議会質問として制度の形にできますか?
おわりに|大東市は特別ではない
判断不能な場面を示し、行政実務の言葉で問い、小さな場面から整理する。
当事者が制度を動かすとは、現場が動かざるを得ない問いを正しい順序で投げること。
これが実現できれば、保育園、虚偽DVを防ぎ別居親の不当な排除へとどんどん応用していくことが出来ると思います。











