今回は、これから本格的に動き出す共同親権と、よく耳にするようになった「こどもの声をきく」という言葉について、共同親権の導入を見据え、「こどもの声をきく」とは何かを地方自治体の実務の視点から整理します。できるだけ分かりやすく書いてみたいと思います。
難しい制度の話に聞こえるかもしれませんが、実はこれは、私たちのすぐ身近な場面に直結するテーマです。
- 学校
- 保育園・こども園
- 災害時の引き渡し
- 日常の行政手続き
共同親権は「親の制度」ではなく「こどもの制度」
共同親権というと、「親の権利がどうなるのか」「離婚後のトラブルが増えるのではないか」といった不安の声をよく聞きます。
もちろん、そうした心配は大切です。
ただ、忘れてはいけないのは、この制度の中心にいるのは常にこどもだということです。
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- こどもにとっての親は離婚後も二人とも親であり続けること
- 日常生活ができるだけ安定して続くこと

この当たり前を、制度としてどう支えるか。そこが、共同親権の本当のテーマだと考えています。
「こどもの声をきく」とは、どういうことか
日本は「こどもの権利条約」を批准しています。
その第12条では、こどもは自分に関係することについて意見を表明でき、
その意見は年齢や成熟度に応じて相応に考慮されるべきだと定められています。
ただ話を聞くだけでは足りない
- どんな意見だったのか
- その意見をどう受け止め
- 最終的にどう判断したのか
「こどもの声をきいた」
それで、判断理由は説明できますか?
この流れが見えなければ、「こどもの声をきいた」とは言えません。
こどもの声を“聞いたことにする”のは、もうやめたいと思っています。
現場で起きている“困りごと”
- 保護者の意見が食い違っていて、どう判断していいか分からない
- こどもの気持ちは分かるが、責任を負うのが怖い
- 前例がなく、判断を避けてしまう
結果として、「とりあえず様子を見る」「保護者同士で話し合ってください」と言わざるを得ない場面が生まれてしまいます。
その一言でこどもは“決まらない時間”、“親がいない時間”を生きることになり、
その間、こどもは大人の判断を待ち続けることになります。
地方自治体にできること
① 判断の目安を示すこと
- 生活の安定
- 安全・安心
- 学校や友人とのつながり
- こども自身の気持ち
②こどもの声の聞き方を整えること
- 誰が
- どんな場で
- どう記録するのか
③ 現場を守る仕組みをつくること
「こどもの声を踏まえて判断した」こと自体が、職員や教員を守るルールになる。そうした仕組みがなければ、制度は現場に根づきません。
国の理念を、地域の日常へ
国は大きな方向性を示します。しかし、登下校、行事への参加、災害時の対応といった具体的な場面を担うのは、地方自治体です。
「理念は分かるが、現場では使えない」
「今までと同じ実務運用」
という状態に私はしたくありません。
おわりに
共同親権も、「こどもの声をきく」ことも、決して特別な人のための制度ではありません。
- こどもの不安を減らし家が2つになっても
- 安心して生活できる
そのための土台づくりです。
地方議員として、現場の声に耳を傾け、制度と日常をつなぐ役割をこれからも丁寧に果たしていきたいと思います。












