活動報告(ブログ)

政策研究

共同親権はなぜ地方自治体で重要なのか

① なぜ「地方自治体」なのか

■ 問題提起の軸

  • 共同親権は「法律ができれば解決」ではない
  • 実際に子どもと向き合うのは、地方自治体
    • 保育園・学校
    • 福祉
    • 防災
つまり──
共同親権の成否は、法律ではなく、自治体実務で決まる

共同親権を「理念」で終わらせるか、「子どもの日常」に落とし込めるか。
その分岐点に立っているのは、国ではなく地方自治体です。


② 国は遅れ、自治体は先に動いているという逆転構造

■ 指摘すべき構造

自治体
  • 親権=法的概念
  • 原則論・抽象論が中心
  • 誰が迎えに来るのか
  • 誰に情報を出すのか
  • 災害時に誰に引き渡すのか

具体と責任の世界

  • 共同親権を“実装”しているのは自治体
  • 法律改正前から、「別居親を排除しない仕組み」を模索している自治体が存在

③ 先進自治体の共通点(ここが核心)

① 親の平等ではなく「子どもの不利益回避」を軸にしている

  • ❌ 親同士の権利
  • 子どもに必要な大人が排除されないか

② フローチャート・ガイドライン化

  • 現場職員の裁量に丸投げしない
  • 「誰が来たら・何を確認し・どう判断するか」を明文化
👉 ここで大東市モデルが最重要事例になる

④ 自治体先進性

■ 大東市の学校行事フローチャート

  • 共同親権を「思想」ではなく「業務設計」として扱うことが重要。
  • 別居親の
    • 行事参加
    • 情報共有
    • 緊急時対応

    フローチャート、ガイドラインで整理

  • 「非親権者だから一律不可」という思考を排除
  • 判断基準を実務に落とし込んだ
    • 子どもの意思
    • 安全性
    • 事前合意の有無

親であるという事実を、行政実務から排除しない方法を提示


⑤ なぜ他自治体に広がらないのか(課題)

■ 主な理由

  • 前例がないことへの恐怖
  • 職員個人に責任が集中する設計
  • DV配慮と親子断絶が混同されている
重要な視点
共同親権に慎重=子ども重視ではない。
「何もしないこと」が最も大きなリスクになる場合がある

⑥ 共同親権時代に自治体が果たすべき役割

■ 法律改正前でも可能なこと

  • 両親への情報提供を原則とする
  • 別居親の行事参加ルール整備
  • 災害時・緊急時の引き渡し基準明確化
  • 親権の有無ではなく「保護者性」で判断する視点

⑦ 結論:共同親権は「制度」ではなく「設計」

共同親権の本質は、親同士の平等ではありません。
子どもにとって必要な大人が、制度や個人によって消されないこと。
その答えを、すでに一部の地方自治体は示し始めています。

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