こどもデータ連携事業 見えないSOSを、支援につなげる
支援が必要な子どもを早期に発見する仕組みを学びました。
令和8年7月17日、和泉市を訪問し、 「こどもデータ連携事業」について行政視察を行いました。
この取り組みの核心は、行政内部に散在する健康・福祉・教育などのデータを連携させ、 これまで行政からは見えにくかった 「支援が必要な子ども」を 早期に発見する体制を構築することにあります。
子どもや家庭からの相談を待つだけではなく、行政が保有する情報を活用して、 支援が必要である可能性を早期に把握し、行政側から働きかけていく取り組みです。
なぜ、こどもデータ連携が必要なのか
学校は、出欠や遅刻、保健情報、学校生活の様子など、 子どもの日常的な変化を把握しています。
一方、福祉部門は、児童扶養手当、障がい福祉サービス、 家庭児童相談など、家庭の福祉的背景に関する情報を把握しています。
しかし、それぞれの情報が部署ごとに分かれているだけでは、 子どもや家庭が抱えている困難の全体像を捉えることができません。
福祉だけでも見えない。
だからこそ、情報をつなぐ必要があります。
教育と福祉の双方が持つ情報をつなぐことで、 一つの部署だけでは発見できなかった危機の兆候を捉え、 より早い段階で支援につなげることが可能になります。
今回の視察で特に重要だと感じた3つの点
「プッシュ型支援」への転換
リスクスコアなどを活用して潜在的な支援ニーズを早期に抽出し、 相談が来るのを待つのではなく、行政側から支援につながる働きかけを行います。
「データ」と「人」の共働
システムで抽出した候補を機械的に支援対象とするのではありません。 SSWなどが学校への聞き取りや状況確認を行い、対人支援へとつなげます。
部署間の縦割りを打破
福祉部局と教育委員会が連携し、行政が持つ情報を横断的に活用することで、 子どもを中心とした情報共有と支援体制を構築しています。
データだけで子どもを判断しない
こどもデータ連携で非常に重要なのは、 システムだけで支援の要否を判断しない という点です。
データは子どもを分類するためのものではなく、 人が気づくための補助線として活用されています。
行政データから候補を抽出
出欠、遅刻、保健、福祉制度の利用状況など、 複数の情報から支援が必要な可能性のあるケースを抽出します。
SSWなどが学校へヒアリング
スクールソーシャルワーカーが学校を訪問し、 データだけでは分からない本人や家庭の実際の状況を確認します。
関係者による判定会議
関係部署や専門職が情報を持ち寄り、 支援の必要性や今後の対応方針を慎重に検討します。
具体的な支援につなげる
支援が必要と判断した場合は、要支援児童として位置付けるなど、 継続的な見守りや福祉的支援につなげていきます。
子ども自身の力では振り払えない危機
子どもを取り巻く危機的な事象は、一つではありません。
これらの問題は、それぞれが独立して起こるとは限りません。 一つの困難が不登校や孤立、学力低下、心身の不調など、 別の問題へと連鎖していくことがあります。
子ども自身の力だけでは
振り払うことができないということです。
だからこそ、子どもが深刻な状況に陥ってから対応するのではなく、 小さな兆候の段階で行政が気づき、支援につなげる仕組みが必要です。
大東市でも必要な取り組み
私自身、こどもデータ連携の必要性について、 これまでも大東市議会で強く訴えてきました。
しかし、行政は情報を保有する一方で、 部署を越えて情報をつなぎ、支援のために活用することを 必ずしも得意としてきませんでした。
情報を持っているだけでは、子どもを救うことはできません。 情報を必要な支援へと変換する仕組みが必要です。
個人情報保護と支援は、対立するものではない
もちろん、子どもや家庭に関する情報は極めて慎重に扱わなければなりません。 利用目的、閲覧権限、記録、保管、第三者提供のルールを明確にし、 不必要な情報共有を防ぐことが必要です。
その一方で、個人情報保護を理由に必要な情報まで分断され、 救えるはずの子どもが支援から漏れてしまってはなりません。
子どもの最善の利益を基準として、守るべき情報は守りながら、 必要な支援には確実につなげる。
そのための制度設計、運用基準、専門職の配置まで含めて考える必要があります。
今こそ、対症療法ではなく予防策を
子どもが自らSOSを出せるとは限りません。
困難を抱えている家庭ほど、行政との接点を持てないこともあります。
だからこそ行政は、相談窓口で待っているだけではなく、 保有する情報を適切に活用し、 支援が必要な子どもを早期に発見しなければなりません。
データは子どもを監視するためのものではありません。
子どもの小さなSOSを見落とさず、
必要な人の手につなぐためのものです。
和泉市で学んだ取り組みを、 大東市における子ども支援の充実と、 誰一人取り残さない仕組みづくりに活かしてまいります。
✅ 行政内の教育・福祉・健康データを連携する
✅ 潜在的な支援ニーズを早期に発見する
✅ データ抽出後はSSWなど専門職が状況を確認する
✅ 部署の縦割りを越えて具体的な支援につなげる
✅ 対症療法ではなく、予防的な子ども支援へ転換する













