活動報告(ブログ)

中村はるきラジオ

【中村はるきラジオ】第五回「学校のプール、本当に学校ごとに必要?」

中村はるきラジオ|第5回

学校プールは、
本当に学校ごとに必要?

学校にはプールがあって当たり前。その前提を一度見直してみると、教育の質、猛暑対策、教員の負担、そして財政負担まで、大きく改善できる可能性があります。中村が議会で提案してきた学校プールの民間活用は、大東市でモデル事業として動き始めました。

YouTube|中村はるきラジオ#5 第五回「学校プールは本当に学校ごとに必要?」

学校のプールは、毎年使う施設だから学校ごとに持っていて当然。

長い間、そう考えられてきました。

しかし、学校プールの老朽化が進み、改修や維持管理には大きなお金がかかります。

さらに近年は、猛暑や雷などによって、屋外プールでは予定どおり授業ができない日もあります。

そこで私は議会で、学校ごとにプールを所有し続ける方法だけではなく、民間の屋内温水プールを活用できないかと取り上げてきました。

その後、大東市では実際に民間プールを活用した水泳授業のモデル事業が始まりました。

学校プールは本当に学校ごとに必要?中村はるきラジオ第5回

守るべきなのは「プール」ではなく「水泳授業」

この議論で一番大切なのは、何を目的にするのかです。

学校プールという建物そのものを維持することが目的ではありません。

子どもたちが泳ぐ力を身につける。

水難事故から自分の命を守る知識や技能を学ぶ。

それが水泳授業の目的です。

守るべきなのは「学校プール」ではなく、「子どもたちの水泳授業」です。

施設を自前で持つことと、質の高い水泳授業を行うことは同じではありません。

民間の屋内温水プールを使った方が、安全で、安定して授業ができ、専門的な指導を受けられるのであれば、当然その方法も比較するべきです。

大東市の学校プールにも老朽化の波

大東市教育委員会の答弁では、市内の公立小・中学校のプールのうち、新設や改修から40年以上経過しているものが10校あることが示されています。

老朽化したプールでは、プール槽からの水漏れ、ろ過装置の故障、給水管からの漏水などが発生し、今後の更新には多額の費用が必要になります。

一方で、学校プールを使うのは基本的に夏季の限られた期間です。

年に限られた期間しか使わない施設に、今後も多額の更新費をかけ続けるのか。 学校ごとに施設を持つことが、本当に最も合理的なのかを考える時期に来ています。

20年間の試算では、約9億6,500万円の差

大東市教育委員会は、学校プールを今後どうするのかを考えるため、中長期的な費用を試算しています。

全ての学校プールを改修し継続利用 約20億8,700万円

改修費を含めた20年間の運営経費の概算です。

老朽化校を中心に民間プールを活用 約11億2,200万円

該当する学校のプールを改修せず、民間施設を活用した場合の20年間の概算です。

20年間の概算試算の差 約9億6,500万円

約20億8,700万円と約11億2,200万円。

その差は、約9億6,500万円です。

これは「すでに9億6,500万円削減した」という数字ではありません。 あくまで今後の方針を検討するために大東市教育委員会が作成した20年間の概算試算です。物価変動なども考慮されていないため、実際の財政効果とは区別して見る必要があります。

それでも、「学校プールは学校ごとに持つもの」という前提を見直すことで、将来負担が大きく変わる可能性を示した数字です。

財政だけではない。民間プールには教育上のメリットも

民間プール活用を考える理由は、お金だけではありません。

猛暑の影響を受けにくい 屋内温水プールであれば、記録的な暑さによる熱中症リスクを抑えやすくなります。
雨や雷に左右されにくい 屋外プールのように、天候によって水泳授業を急きょ中止するリスクを減らせます。
専門的な指導 民間施設のスタッフと連携することで、泳力別の小グループ指導など専門性を生かせます。
教員負担の軽減 水質管理や施設管理など、学校プールを維持するための教職員の負担軽減にもつながります。
財政負担を減らしながら、授業の質も上げる。

単なる「削減」ではなく、教育環境をより良くできるかどうかが重要です。

大東市でモデル事業がスタート

大東市教育委員会は令和7年度から、水泳授業等の民間施設活用モデル事業をスタートしました。

モデル事業では、市内・市外の4つの民間施設を活用し、8校が取り組みました。

5月から11月まで水泳授業を実施し、バス移動や民間スタッフと連携した指導、評価方法などについて、課題と成果を検証するものです。

議会で学校プールのあり方を提起 学校ごとにプールを維持するだけではなく、民間施設を活用する選択肢を議会で取り上げてきました。
教育委員会が中長期コストを試算 全校のプールを改修して継続する場合と、老朽化校を中心に民間活用する場合を比較しました。
令和7年度にモデル事業が実現 4つの民間施設を活用し、8校で水泳授業を実施しました。
今後は成果と課題を検証 移動、授業時間、教育効果、安全性、財政効果などを検証し、持続可能な水泳授業につなげます。

実際の授業ではどんな変化があったのか

大東市教育委員会が令和7年5月に公表した資料では、三箇小学校の児童が民間の屋内温水プールで水泳授業を行った様子が紹介されています。

学校側からは、前年は雨や雷の影響で予定変更が複数回あった一方、民間施設では天候に左右されず、安全を確保した中で泳力別の小グループ指導を受けられたとの評価が示されています。

子どもたちからも、温かいプールでコーチから指導を受け、多く泳ぐことができたという声が上がっています。

施設を変えることで、水泳授業そのものを良くできる可能性がある。

ここが、単なる施設削減とは違う重要なポイントです。

先生の仕事は「プール管理」なのか

学校プールを維持するためには、授業以外にも多くの作業が必要です。

水質管理
安全に授業を行うため、水質を適切に管理する必要があります。
施設・設備の確認
ろ過装置や給水設備などの点検や対応が必要です。
授業準備と安全管理
水泳授業には通常の授業以上に安全面への配慮が求められます。
天候判断
雷、雨、気温、暑さ指数などを確認し、実施の可否を判断する必要があります。

もちろん学校が教育に責任を持つことは変わりません。

しかし、施設の維持管理まで全て学校が抱える必要があるのかは別問題です。

先生にしかできない仕事に、先生が集中できる環境をつくる。

民間活用は、学校の働き方を見直すという意味でも重要な選択肢です。

もちろん、民間に任せれば全て解決するわけではない

一方で、課題もあります。

移動時間 学校からプールまでのバス移動によって、授業時間がどの程度影響を受けるのか。
受け皿の確保 全ての学校が同時期に利用できるほど、民間施設に余裕があるのか。
安全管理 バス移動を含め、学校外で授業を行う際の安全をどう確保するのか。
実際の財政効果 委託料、バス代、既存施設の維持費などを含め、本当にどれだけ負担が減るのか。

だからこそ、いきなり全校で切り替えるのではなく、モデル事業で検証する意味があります。

良かった点だけではなく、課題も数字で確認する。

その上で次の判断をすることが重要です。

「昔からあるから残す」ではなく、目的から考える

行政には、「今までこうしてきたから」という考え方が残りやすい面があります。

しかし、人口も社会も気候も変わっています。

学校施設も老朽化していきます。

そうした中で、昔と全く同じ方法を続けることが、本当に市民にとって最善なのか。

「学校にはプールがあるもの」から考えるのではなく、「子どもにどんな水泳授業が必要か」から考える。

目的から逆算すれば、施設の持ち方も変えることができます。

これは学校プールだけの話ではありません。

公共施設、行政サービス、職員の仕事。

「自前で持つこと」が目的になっていないかを、常に見直す必要があります。

政策は、提案して終わりではない

議会で提案する。

行政が検討する。

モデル事業が始まる。

ここまでは一つの成果です。

しかし、本当に大切なのはここからです。

子どもの泳力はどう変わったのか。

授業の質は上がったのか。

先生の負担は軽くなったのか。

移動時間に問題はないのか。

そして、実際にどれだけ財政負担を減らせるのか。

約9億6,500万円は「見込み」であり、「実績」ではありません。 だからこそ、モデル事業の結果を追い、実際の数字で政策を評価していく必要があります。

提案して、実現して、数字で検証する。

これからも、その姿勢で追い続けます。

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大東市公式資料

▶公立小・中学校の水泳授業等民間プール活用について

学校プールを守るのか。
子どもの水泳授業を守るのか。

学校ごとにプールがあることは、これまで当たり前でした。

しかし、施設は老朽化し、気候も変わっています。

一方で、地域には民間の屋内温水プールがあります。

それなら、学校ごとに大きな施設を持ち続ける方法だけではなく、既存の民間施設を活用する方法も比べるべきです。

20年間の概算試算では、その差は約9億6,500万円。

ただし、安ければいいわけではありません。

安全性。

教育効果。

子どもの泳力。

先生の負担。

移動時間。

そして財政効果。

全てを比較し、子どもたちにとってより良い方法を選ぶ。

「昔からあるから残す」のではなく、「何のためにあるのか」から考える。

学校プールの民間活用も、その一つの挑戦です。

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