学校プールは、
本当に学校ごとに必要?
学校にはプールがあって当たり前。その前提を一度見直してみると、教育の質、猛暑対策、教員の負担、そして財政負担まで、大きく改善できる可能性があります。中村が議会で提案してきた学校プールの民間活用は、大東市でモデル事業として動き始めました。
学校のプールは、毎年使う施設だから学校ごとに持っていて当然。
長い間、そう考えられてきました。
しかし、学校プールの老朽化が進み、改修や維持管理には大きなお金がかかります。
さらに近年は、猛暑や雷などによって、屋外プールでは予定どおり授業ができない日もあります。
そこで私は議会で、学校ごとにプールを所有し続ける方法だけではなく、民間の屋内温水プールを活用できないかと取り上げてきました。
その後、大東市では実際に民間プールを活用した水泳授業のモデル事業が始まりました。
守るべきなのは「プール」ではなく「水泳授業」
この議論で一番大切なのは、何を目的にするのかです。
学校プールという建物そのものを維持することが目的ではありません。
子どもたちが泳ぐ力を身につける。
水難事故から自分の命を守る知識や技能を学ぶ。
それが水泳授業の目的です。
民間の屋内温水プールを使った方が、安全で、安定して授業ができ、専門的な指導を受けられるのであれば、当然その方法も比較するべきです。
大東市の学校プールにも老朽化の波
大東市教育委員会の答弁では、市内の公立小・中学校のプールのうち、新設や改修から40年以上経過しているものが10校あることが示されています。
老朽化したプールでは、プール槽からの水漏れ、ろ過装置の故障、給水管からの漏水などが発生し、今後の更新には多額の費用が必要になります。
一方で、学校プールを使うのは基本的に夏季の限られた期間です。
20年間の試算では、約9億6,500万円の差
大東市教育委員会は、学校プールを今後どうするのかを考えるため、中長期的な費用を試算しています。
改修費を含めた20年間の運営経費の概算です。
該当する学校のプールを改修せず、民間施設を活用した場合の20年間の概算です。
約20億8,700万円と約11億2,200万円。
その差は、約9億6,500万円です。
それでも、「学校プールは学校ごとに持つもの」という前提を見直すことで、将来負担が大きく変わる可能性を示した数字です。
財政だけではない。民間プールには教育上のメリットも
民間プール活用を考える理由は、お金だけではありません。
大東市でモデル事業がスタート
大東市教育委員会は令和7年度から、水泳授業等の民間施設活用モデル事業をスタートしました。
モデル事業では、市内・市外の4つの民間施設を活用し、8校が取り組みました。
5月から11月まで水泳授業を実施し、バス移動や民間スタッフと連携した指導、評価方法などについて、課題と成果を検証するものです。
実際の授業ではどんな変化があったのか
大東市教育委員会が令和7年5月に公表した資料では、三箇小学校の児童が民間の屋内温水プールで水泳授業を行った様子が紹介されています。
学校側からは、前年は雨や雷の影響で予定変更が複数回あった一方、民間施設では天候に左右されず、安全を確保した中で泳力別の小グループ指導を受けられたとの評価が示されています。
子どもたちからも、温かいプールでコーチから指導を受け、多く泳ぐことができたという声が上がっています。
先生の仕事は「プール管理」なのか
学校プールを維持するためには、授業以外にも多くの作業が必要です。
安全に授業を行うため、水質を適切に管理する必要があります。
ろ過装置や給水設備などの点検や対応が必要です。
水泳授業には通常の授業以上に安全面への配慮が求められます。
雷、雨、気温、暑さ指数などを確認し、実施の可否を判断する必要があります。
もちろん学校が教育に責任を持つことは変わりません。
しかし、施設の維持管理まで全て学校が抱える必要があるのかは別問題です。
もちろん、民間に任せれば全て解決するわけではない
一方で、課題もあります。
だからこそ、いきなり全校で切り替えるのではなく、モデル事業で検証する意味があります。
良かった点だけではなく、課題も数字で確認する。
その上で次の判断をすることが重要です。
「昔からあるから残す」ではなく、目的から考える
行政には、「今までこうしてきたから」という考え方が残りやすい面があります。
しかし、人口も社会も気候も変わっています。
学校施設も老朽化していきます。
そうした中で、昔と全く同じ方法を続けることが、本当に市民にとって最善なのか。
これは学校プールだけの話ではありません。
公共施設、行政サービス、職員の仕事。
「自前で持つこと」が目的になっていないかを、常に見直す必要があります。
政策は、提案して終わりではない
議会で提案する。
行政が検討する。
モデル事業が始まる。
ここまでは一つの成果です。
しかし、本当に大切なのはここからです。
子どもの泳力はどう変わったのか。
授業の質は上がったのか。
先生の負担は軽くなったのか。
移動時間に問題はないのか。
そして、実際にどれだけ財政負担を減らせるのか。
提案して、実現して、数字で検証する。
これからも、その姿勢で追い続けます。
子どもの水泳授業を守るのか。
学校ごとにプールがあることは、これまで当たり前でした。
しかし、施設は老朽化し、気候も変わっています。
一方で、地域には民間の屋内温水プールがあります。
それなら、学校ごとに大きな施設を持ち続ける方法だけではなく、既存の民間施設を活用する方法も比べるべきです。
20年間の概算試算では、その差は約9億6,500万円。
ただし、安ければいいわけではありません。
安全性。
教育効果。
子どもの泳力。
先生の負担。
移動時間。
そして財政効果。
全てを比較し、子どもたちにとってより良い方法を選ぶ。
「昔からあるから残す」のではなく、「何のためにあるのか」から考える。
学校プールの民間活用も、その一つの挑戦です。
















